こんにちは!
琉球治療院 施術者の関です。
私が前に住んでいたアルゼンチンでの治療のお話をしたいと思います。
その頃のアルゼンチンは政治的に不安定な国家なために、他国へ移住する人と
他国から入って来る人が入り混じっていました。
アルゼンチンのスペイン語は語彙やインネーションや動詞の活用までスペインなど、
ヨーロッパで話されている言葉と違って「カステジャーノ」と呼ばれています。
2017年にウクライナの女の人がお母さんと一緒に見えました。
お母さんはチェルノブイリに住んでいたのだそうですが、医者がここはガンになる
人が多く、危険だから娘さんがアルゼンチンに住んでいるならそちらへ移った方が
いいとアドバイスしてくれたそうです。
その時の私は、不勉強でチェルノブイリはロシアでも東のほう思っていたので、
あまりその切実さがわかりませんでした
後で地図を見て、モスクワ(治安情勢が悪い)の直ぐ近くでびっくりしました。
その人の訴えは、良く眠れないという事でした。不眠症で鍼灸をやってみたいと
いう人は大勢います。診てみると後頭部の僧帽筋の部分がカチンカチンに凝って
いました。この部分の凝りが身体全体を緊張させて深い睡眠を妨げているようです。
娘さんの所とはいえ外国ですし、又自分の故郷は放射能の汚染で帰る見込みがたた
ないのですから当然でしょう。言葉が通じないのですから、とにかくこの凝りをとる
のが必要と思い、寸3・3番鍼を後頭部の天柱・風池に肩の僧帽筋の肩井に刺鍼し、
8分ほど通電治療をしました。鍼の治療は始めてだったらしく、当初はとても緊張し
ていました。しかし、不眠の苦痛を取りたいという要望がまさったようでした
通電治療の後は側臥位にして凝っている部分をきもちが良いぐらいの強さで指圧をし
ました。アルゼンチンのキネシオロゴのマッサージはヨーロッパ風の撫でるような
テクニックなのですが、私は意識して日本風な強めの指圧にしました
浪越徳次郎先生の指圧がアルゼンチンの人にも好評だと聞いていたせいもあります。
(浪越徳次郎=国内外の著名人の治療をしたことにより、日本はもとより全世界に指
圧を普及させた人物)何とか我慢して通電治療と指圧の施術を終えました。
その後、どうなったかとても気になっていたのですが、1日経ってまた私のところへ
来てくれました。どうだったか聞いたところ、久しぶりに熟睡できたと喜んでいまし
た。鍼は怖くなかったか聞いたところ、最初は怖かったけれども早く眠りたかったの
で我慢したとの事でした
それからは、2週間ほど1日おきに通電治療と指圧を継続し、その後は1週間に2回
ほどにし、良く眠れるようになってからは1週間に1回ほどにして帰国まで通けまし
た。不眠症は単に眠れないのではなく、心の中の心配事が深い眠りを妨げているので
すしかし、それを軽減する手段として 後頭部の凝りを取る事も必要な事だと思
いました。
私も鍼灸の通電治療の症例を重ねて、患者様のお身体のお悩みに寄り添った治療を
これからも提供していければと思っております